【筋肉少女帯おすすめアルバム】 "サーチライトは月の光とともにタイトロープを照らせ"
昔の私は、今よりもずっと息苦しい生き方をしていた。
こういう風にあるべきだ、絶対これが正しい、というような凝り固まった価値観を持ち合わせていたような気がする。
人生というのは得てして、自分の思い通りにならないものだ。
嫌なことを言われたり、ひどい目に遭ったり、それが全く自分に非がなかったとしてもだ。
そういう訳もあってか、体調が悪かった。
夜眠れなかったり、肩や首がこったり、脚が冷えたり。
食べ物や運動に気をつければ健康でいられると思っていた。
でも、健康に過ごすためには精神面も大事だと徐々に分かっていった。
そんな時に、元気をくれたのが、日本のメタルバンド”筋肉少女帯”である。
名前はふざけているような気もするが、ヴォーカルである大槻ケンヂの感性は類い希である。
正直言うと、ポップな音楽グループは綺麗事、絵空事を唄っていることが多いように見受けられる。そんな当たり障りのないことわざわざ唄わなくてもと思ってしまう…
(もちろん素晴らしいポップグループも沢山ありますよ。)
2018年で筋肉少女帯は30周年(活動休止してた時期もありましたが)おめでとうございます。
長い間活動しているので、良い曲は沢山ありますが、個人的には、やっぱりこの曲かな…
アルバム「キラキラと輝くもの」より「サーチライト」
今聞いても、かっこいい。
大槻ケンヂの想いが最も強く表れているのがこの曲ではないか。
筋肉少女帯の歌には語りの場面が多々あるのだが、「サーチライト」の中盤にもある。
この世にはさ なりたくもないのに時々ね 暗ーくなっちまう奴っていうのが沢山いてね 俺もその一人だったんだ
だからさ 俺はサーチライトになりたいんだ
その気持ちは、痛いほど分かる。
ご飯を食べても美味しくないし、何をしても楽しくない。
ならば、生きている意味なんてあるのかと、苦しい経験をしたからこそ、そいうい人たちを照らしてやりたいんだ。
例え、その行為が、ボランティアだ、何か賞でも欲しいのかい、あんた何様だと、思われたりしたとしても。
サーチライトは月の光と共にタイトロープを照らせ
筋肉少女帯には「蜘蛛の糸」という、芥川龍之介の同名の小説をモチーフにした曲がありますが、その曲では蜘蛛の糸が降りてきたら自分だけが昇って助かるんだ、と言う内容になっています。
全く逆の歌があるのが面白いところです。
アルバム「キラキラと輝くもの」には他にも良い曲が沢山あります。
#1「冬の風輪(序文)」
#2「小さな恋のメロディ」
#3「機械」
#4「僕の歌を総て君にやる」
#5「サーチライト」
1曲目から5曲目までの怒濤の流れはすごいので是非聞いて下さい。